薬局・医療機関で働く方向けの解説です。 最終更新 2026年9月11日
薬価は、保険の請求、在庫の評価、患者さんへの説明と、毎日のように目にする数字です。 このページでは、薬価が何の値段なのか、どう読めばよいか、いつ変わるのかをまとめます。
薬価は、保険診療で使う医療用医薬品について、国が品目ごとに定めている公定価格です。 医療機関や薬局は、使った薬の費用をこの価格で保険に請求します。
一方、医療機関や薬局が卸から実際に買う値段(納入価)は、取引ごとの交渉で決まり、 ふつうは薬価より安くなります。この差を「薬価差」と呼びます。 薬価はあくまで請求の基準で、仕入れの値段そのものではありません。
薬価は、品目ごとに決められた規格単位(「5mg1錠」「1g」「10mL1瓶」など)あたりの金額です。 規格単位が「5mg1錠」なら1錠あたり、「1g」なら1gあたりの値段です。
同じ成分でも、規格が違えば薬価は違います。5mg錠と10mg錠の薬価を並べても、量の違いを見ているだけで、 どちらが割安かは分かりません。当サイトの成分ページや詳細ページでは、 先発品と後発品の差額を必ず同じ規格どうしで計算しています。
また、薬価は 10.40円 のように銭の単位まで定められています。 一覧で円単位に丸めて表示している箇所もあるため、正確な値は詳細ページで確認してください。
窓口で払う額は、薬価をそのまま掛け算した額ではありません。 保険の請求では、薬価をいったん点数(1点=10円)に直してから計算します。
内服薬の場合は、1剤(服用する時点が同じ薬をまとめたもの)の1日分の薬価の合計を使います。 合計が15円以下なら1点、15円を超える場合は、 超えた分が10円またはその端数を増すごとに1点を加えます。 外用薬や頓服薬では、数える単位が異なります。
計算の例(内服薬・1剤)
実際の窓口負担には、ここに調剤や処方にかかる技術料などが加わります。 当サイトの詳細ページにある「薬剤費計算」は、薬価 × 1日量 × 日数 を単純に掛けた概算で、 点数への換算や技術料は含んでいません。
薬価は、卸から医療機関・薬局への実際の販売価格を調べる「薬価調査」の結果をもとに見直されます。 実際の取引価格は薬価より安いことが多いため、改定のたびに多くの品目で薬価が下がります。
以前は診療報酬の改定にあわせて2年に1度でしたが、2021年度からは間の年にも改定(中間年改定)が 行われるようになり、現在は毎年4月に薬価が変わっています。
当サイトは厚生労働省の薬価基準の一覧を毎朝取り込み、各詳細ページの「適用日」に、 表示中の薬価がいつから適用されているかを出しています。 取り込みが止まっている場合や、薬価の適用日から1年以上たっている場合は、 全ページの上部に警告を表示します。
メーカーが販売をやめるときなどには、その品目は薬価基準から削除されます。 削除が決まった品目には、ふつう経過措置の期間が設けられ、 その期限までは保険で請求できます。期限を過ぎると請求できません。 販売名の変更でも、旧名称の品目に経過措置が設けられることがあります。
薬価削除の予定でメーカーの出荷が止まっている品目は、 販売終了の予定(薬価削除)の一覧で確認できます。 在庫を使い切る前に、切り替え先を決めておく必要があります。
薬価基準の一覧には、「〇〇錠5mg」のようにメーカー名の付かない名前で、 1つの薬価として載っている品目があります。主に薬価の低い品目について、 メーカーごとに分けずに一般名でまとめて収載する方式で、統一名収載と呼ばれます。
この場合でも、実際には複数のメーカーの品が流通しています。 当サイトでは、出荷状況のデータから同じ成分・剤形・規格の品を突き合わせて、 メーカーごとの出荷状況を詳細ページに出しています。 突き合わせの方法は薬価基準収載医薬品コードの読み方で説明しています。